資産を増やす手法の一つとして浮かぶのがFX
そこでFXについて考えてみました。
あなたも「FXで資産倍増」「FXで月利100%」など
美味しそうな話を沢山見かけるのではないかと思います。
でも実際は資金を失って退場する人も沢山います。
そこで、FXは投資なのか、投機なのか、それともギャンブルなのか
を考えてみます。
金融庁が認可した正式な金融商品だから、
投資と考える方もいるでしょう
2003~2007年当りまでは、
先進国間の金利差が大きく、
特に金利の高いオーストラリアドル、ニュージーランドドルを
長期的に持っていれば、スワップ(金利)がついて、
外貨預金以上に利益を得られる時期もありました。
しかも、購入する際にレバレッジがかけられるので、
例えば入金額の数十倍の金額の豪ドルやNZドルを
長い期間持っているだけで、かなりの利益を得る事ができました。
当時はその中でも日本の金利が突出して低かったので
円キャリートレード(円を売って、金利の高い国の通貨を買う)
の流れから円安基調であり、外貨預金よりも手数料が安く、
レバレッジが掛けられるFXは、投資として利用できたと
言えるでしょう
ところが、2008年のリーマンショックから、
円は安全な通貨として買われる様になり、
各国の金利も下がり、円高が進んでいった為、
スワップの利益を飛ばし、含み損を抱えて
撤退を余儀なくされた人も多く出ました。
また、2011年に東日本大震災が起こり
リスクの許容度の低下から、円高もピークに
リスクの許容度の低下から、円高もピークに
そして、直近では、2013年デフレ脱却を
掲げた安倍政権が誕生、大幅な金融緩和を行い、
2013年後半には一気に円安に(^^;
ドル円の推移

出典:ストックウェザー
この様に為替は、大きな流れとしては、
国内海外の金利や債務状況、戦争、災害などの
国際情勢の変化といった、
ファンダメンタルズ(「経済の基礎的条件」)の影響
で動いていますが、
予測できない出来事が起こる事も少なくありません。
ファンダメンタルズ(「経済の基礎的条件」)の影響
で動いていますが、
予測できない出来事が起こる事も少なくありません。
FXとは、ゼロサムゲームです。
つまり、買い手と売り手のどちらかが利益を得たら、
どちらかが、損をする事になります。
そして証券会社の売買手数料は殆どの会社が無料ですが
代わりにスプレッドという物があります。
スプレッドとは、通貨の買値と売値の差です。
例えば、1ドルの購入価格が100円のレートで
1万ドルを購入した場合
そのままのレートでその1万ドルを売った場合でも、
100万円が戻って来る訳ではなく、
ドルを売る場合のレートは買う時と差があり
スプレッドが0.05円=5銭であれば
99万9500円にしか戻ってこないと言う事になります。
つまり、1万ドルを円で購入した時点で、
既に500円のマイナスになっていると言う事です。
実質的にスプレッドの5銭は、証券会社への
手数料になります。
FXの世界では、為替の最小単位をpipsで表現します。
よく使われるのが「今日はドル円で50pipsの利益だった」という言い方。
これは50銭幅の利益を取れましたということ。
なぜ「銭」を使わずに「pips」を使うかというと、
異なる通貨でも比べやすくするためです。
1ドル100円15銭だったら、15銭の5の部分の単位が「pips」。
1ユーロ1.3325ドルだったら、最後の5の部分の単位がpipになります。
クロス円(ドル以外の通貨と円の組合せ)の通貨ペアだったら
「1pips=1銭」、
ユーロ/米ドルや豪ドル/米ドルのように米ドルが後ろにくる通貨ペアだったら
「1pips=0.01セント」になります。
FXで継続的に収益をあげるには、このスプレッドのマイナス分を上回る
勝てる情報、ノウハウ、手法、ルールなどを持つ事が必要になります。
これらの優位性=エッジと表現すると
例えば、スイングトレード派(数日間ポジション(通貨)を持って値上がり、値下がりを狙う売買手法)が
ポンド/円を150 円でロング(買い)エントリー160 円で決済(リミット)、140 円で損切りするとします。
その場合、プラス1000pips 対マイナス1000pips で、通常リターン率は100%ですが、
スプレッド(5pips とすると)があるため、
1005 対995 になります。リターン率は99.00%です。
このマイナス1%を上回る優位性=エッジを見出す必要があります。
例えばデイトレ(当日中に決済する売買手法)で、
ポンド/円を150 円でロングエントリーし、
151 円で決済(リミット)、149 円損切りで設定したとします。
100pips 対100pips で、通常リターン率は100%ですが、
スプレッド(5pips とすると)があるため、105 対95 になります。
単純計算では、リターン率は90.47%です。
スキャルピング(短時間に売買を繰り返す手法)では、
一日に数回少ない値幅の利益を狙って売買を繰り返すので、
もっと厳しいリターン率となります。
このマイナス10%を上回るエッジを見出さなければならないのです。
ただ、上記の例で、スイングの方がデイトレよりも有利と
言いたい訳ではありません。
スイングは遠い予想になるためマイナスの利幅が大きくなる
というマイナスエッジもありますし
デイトレは直近の予想のためマイナスの利幅が小さく
早いうちに損切りできるというエッジもあります。
大事なのは、FXの取引を始めた時点で
数%のマイナスになり、
それを上回るなんらかのエッジ
(何等かの情報やその情報を利用した取引手法、勝ちパターンやルール)
を持たない限り、
トレードを繰り返すうちに長期的には
確実にマイナスになって行くという事です。
トレードを繰り返すうちに長期的には
確実にマイナスになって行くという事です。
そしてFXは投資か投機かギャンブルか?
ということについての私の結論は・・・
「限りなくギャンブルに近い」投機
だと思います。
だと思います。
それは、そこに何の生産性も発生しない
「ゼロサムゲーム」だからです。
「ゼロサムゲーム」だからです。
ただ、普通のギャンブルとの違いを言えば、
数少ないプラスにできる可能性のあるギャンブル
だということです。
だということです。
そして、その為には前述の様な
マイナス要素を上回るエッジを見つける必要があり、
マイナス要素を上回るエッジを見つける必要があり、
世界の経済情勢を調べて分析したり、
様々な指標による為替の動きを分析したり、
沢山の努力や勉強が必要になります。
FXには、そういう要素があるので
ギャンブル性が薄れて感じられるのかもしれません。
普通のギャンブルとのその少しだけの違いが、
FX が投資なのか、投機なのか、ギャンブルであるのか、
意見の分かれる部分なのだと思います。