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2016年09月30日
老後資金の奥の手
こんにちは ゴローです。
年金以外に収入がなくなり
預貯金も少ない高齢者の方でも
自宅不動産という資産をもっている方は
多くいます。
余裕のある生活をするために
売却すれば、まとまった資金を
手にできますが、
住み慣れた場所から離れたくない
という気持ちが強い方も
多いのではないかと思います。
もし、住み続けながら
自宅を現金化できる方法があれば
とても嬉しい事です。
そんな願いを叶える方法があります。
それは
「リバースモーゲージ(不動産担保ローン)」
です。
このローンは、契約者が自宅を担保にして
借り入れを受け、亡くなった時点で
精算する仕組みです。
契約者が亡くなった時点で
相続人が借入分を返済するか、
自宅を処分して返済します。
現在、「リバースモーゲージ」には、
大きく分けて2つの種類があり
ひとつは
公的制度である「不動産担保型生活資金」
もうひとつは民間金融機関が扱う商品です。
前者は、戸建て住宅が対象で
土地評価額の7割程度までの
借り入れが受けられ、
金利も長期プライムレート
(平成28年8月現在、年利0.95%)
と低くなっています。
ただしこの制度は低所得者向けのものなので、
所得が「市町村税非課税世帯」
または「均等割課税程度の世帯」などに
該当しないと利用できません。
一方、民間金融機関の商品は
土地評価額に対して
融資を受けられる割合が低く、
金利も少し高くなりますが
貸出対象が広くなっています。
例として、東京スター銀行の
新型リバースモーゲージ「充実人生」は、
融資限度額は不動産評価額の5割程度、
8月の金利は年2.911%となっています。
首都圏および大阪市、京都市、神戸市の
一部であれば、戸建てだけでなく
マンションも対象になります。
借入金の返済は毎月金利のみを払い
契約者が亡くなった時点で元本を
一括で返済します。
この商品の場合、
契約しても普通預金口座に残高があれば、
その分には金利がかからないという
「預金連動型」の仕組みが
取り入れられているのが
特徴になっています。
自宅の補修費用や急な出費に
備えておきたいと思う場合
借入金を東京スター銀行に預けておけば
それを使うまでは、金利もかからないので
無駄な費用をかけずに備える事が
できます。
ただし、利用を検討する際には、
「自宅を本当に手放してもいいのか」を
よく考えましょう。
子どもが独立して夫婦2人でには
広すぎて使い勝手が悪いなどの場合は
売却して住み替えたり、
高齢者向け住宅に入居したりするほうが
いい場合もあります。
また相続人となる子どもたちと
よく話し合って合意を得て
おくことが必要です。
いずれ自宅を相続したいと思っている
子どもがいると、
トラブルになりかねません。
また、夫に先立たれた際に
妻が契約を継続できるのか、
事前に確認をしておく必要があります。
リバースモーゲージは、
契約者が亡くなった時点で
精算するのが基本なので
継続の条件を満たさなければ、
妻が住まいを失うリスクがあります。
またその他のリスクとして
金利上昇や担保価値の下落があります。
金利が変動タイプなので、
今後、金利が上昇すると、
利息負担が重くなる事も考えられます。
一方で土地の値段が安くなると、
担保価値が下がります。
融資限度額は、担保価値を基準に設定され、
定期的に担保価値の再評価が行われるので
担保価値が下がれば、
当初予定していた融資限度額も下がり、
資金計画が狂う可能性があります。
「充実人生」の場合、担保価値が下がり、
融資限度額を上回った場合には、
その分を1年以内に返済しなければ
なりません。
リバースモーゲージを使えば、
老後資金に余裕ができますが、
その分気持ちが大きくなって
つい浪費しがちになることにも
注意しなければいけません
これらのリスクを考慮した上で
老後の資金計画のひとつとして
リバースモゲージを検討してみては
いかがでしょうか。